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【映画】みなさん、さようなら/中村義洋監督  


みなさん、さようなら [DVD]みなさん、さようなら [DVD]
(2013/06/05)
濱田 岳、倉科カナ 他

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外事警察とは両極端な作品ですが、こちらもオススメな一本。
タイトルだけ見ると、鬱っぽい映画を想像するかもしれないですが、中身は全く違います。

団地で一生住み続けるときめた少年の生き様を描いた青春コメディ映画です。
「みなさん、さようなら」とは、小学校のクラスで下校前に皆で発する挨拶を指しています。
中村監督のほの温かい作風(『ポテチ』のような)が好きで、本作にも手を出してみました。


本作品の見所は、主人公のひたむきさと恋愛。青春を感じられます。
あと、12歳から30歳までを違和感なく演じ切った濱田岳も素晴らしいです。

もどかしくて、ドキドキして、ちょっとエッチで、ほろ苦くて。
そんな青春がまさかまさか団地に全て詰まっているとは。
社会人生活に揉まれて純度100%の青春を忘れてしまった人には、ぜひオススメです。


内容の紹介をしますと、テーマの一つは団地の変遷。
今は団地と言えば古い住宅街のイメージですが、先進的でヨーロッパ風と捉えられていた時代もあったのです。
それを示す1980年代のテレビ映像(本物?)が導入部分として採用されています。

しかしやはり、団地は都市への人口流出や少子高齢化など、次第に廃れていきます。
本作においても、途中、外国人や高齢者の呼び込みなどの策が打たれるのですが、時代の流れに逆らえず、商店街はシャッター通りと化し、次々と団地は取り壊されてしまいます。


そして、もう一つのテーマが団地に縛られた生き方。
主演の濱田岳は、団地の中で生きていくと言い続け、団地の外には一歩も踏み出さないという変わり者です。
そのため、団地の外にある中学校も通わずじまいで、勿論、就職先も団地の中。
その代わり、「団地を守る」という意気込みのもと、毎日筋トレとパトロールを欠かしません。

しかし、時が流れるにつれ同級生はどんどん団地から引っ越していき、上述のとおり団地自体も廃れていきます。
その中で、主人公は団地から出る事ができるのか否かというのが、焦点の一つとなっていきます。

団地から出られないと言うのは、一種のアナロジー(類比)と捉える事もできます。
誰しも、幼い頃から形作ってきた、自分だけの“心の活動範囲”があると思います。
良くも悪くもそこから外に踏み出して考え、行動する事ができない。

それは作品内で主人公が言うように“自分で決めた事だから”という貫徹の表れでもあります。
が、しかし主人公はそこから一歩踏み出そうとすると身体が拒否反応を起こしてしまいます。
まるでしつけられた犬のように、いつの間にか本能的なレベルで自分を”活動範囲”に縛りつけてしまっているのです。そして、たいていはその”活動範囲”のチカラを軽んじてしまいます。
踏み出そうと思えば自分にも踏み出せる、と強がって見せたりするのですが、そのフィールドを囲う策は想像以上に強固だったりします。

自分にとっての「団地」は何だろう。
そんなことを思いながら本作品を鑑賞すると、主人公の思いが一気に身近なものに感じられることと思います。
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