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マグマ/真山仁  


マグマ (角川文庫)マグマ (角川文庫)
(2009/08/25)
真山 仁

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原発は撤廃すべきか否か。
こうした問題は、議論のテーマになりやすい。
どちらの立場からも意見を述べやすいためです。
実際、就活のグループディスカッションのテーマとして採用している企業もあります。

しかしそれは裏返せば、答えのないテーマとも言えます。
こうした問題についてのディスカッションとは畢竟、メリットとデメリットを挙げ連ね、落とし所を探っていく作業です。正解などは存在しません。



本作品は、先進国エネルギー問題会議にて日本が欧米から原子力発電の中止を求められる、というスケールは大きいが妙にリアリティのある話から始まります。
大筋としては、そうした政治状況の中で地熱開発を行う会社の再生を任じられた外資系ファンドに勤める一人の女性が、幾多の障害を乗り越えながら地熱ビジネスを成功に導いていくという、ドキュメンタリーのような物語。
相変わらずビジネスに熱い人物らが登場し、主人公は利害関係者の利権や政治的思惑に弄ばれます。展開されるドラマも大胆で力強く、読み応えは充分。

地熱発電。
本作品の扱うテーマは、あまり馴染みのない発電方法です。
やはり原発の代替エネルギーという観点がメインとなり、作品内でも原発推進派と反対派の対立が見られます。登場人物らの口から飛び出す意見は鋭い視点が多く、勉強になります。

たとえば、エネルギー問題を論じる時に必ずと言っていいほど用いられる発電単価(=発電コスト)について、いかに計算方法が不明確で危ういものかがわかります。
原発につぎ込まれる様々な補助金の総額は曖昧であり、使用済み核燃料の処理のコストも未確定です。火力発電についても、変動の激しい石油の値段によって発電単価は大きく変わってきます。
そうした事を知らずして、軽々しく主張の根拠に利用して良い数字ではありません。

あくまで小説の中の話ですが、一例として次のような記載もあります。
『原発内で起きた不具合や亀裂などを発見しても、原発は滅多に停めない。そんなことをしたら稼働率が下がり、発電単価に影響するからだと言うんです。』
この一文で背筋が凍ったのは僕だけではないはず。



これを読めば、あまり馴染みのない地熱発電がいかに魅力的な発電方法であるか、そして、それにも関わらずなぜ地熱発電は停滞しているのかがよく理解できます。
これからエネルギー問題に関してディスカッションを行う人には、この一冊だけで議論の武器となる材料を多く取り揃えることができるでしょう。

そして、エネルギー問題という正解のないテーマに対して、現実世界ではどのような力学が働いて決定づけられるのか。その答えも本作品の中にあるように思います。
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