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主人公の生き様に心を打たれる、圧巻の社会派作品/『沈まぬ太陽』山崎豊子著  


沈まぬ太陽 文庫 全5巻 完結セット (新潮文庫)沈まぬ太陽 文庫 全5巻 完結セット (新潮文庫)
(2002/01/01)
山崎 豊子

商品詳細を見る


故・山崎豊子氏の代表作。
1999年から5年にわたって「週刊新潮」に掲載された長編大作です。
ようやく2009年に渡辺謙さん主演で映画化されたのは記憶に新しいところ。

主人公、恩地の実直さ、強い正義心に心を打たれる


とても長いので、読むにも時間がかかりますが、圧巻の筆致力に心を揺さぶられます。
日航ジャンボ機墜落が物語の中心となりますが、詳細で克明な記述にぐいぐい読まされました。

作品の見所は、主人公・恩地の生き様と不条理な企業風土。
フィクションではありますが、主人公も会社も事故もすべて実在のモデルをもとに描かれています。
特に主人公のモデルの小倉寛太郎氏には、千数百時間におよぶ取材をしたそうです。
著者曰く、「事実を取材して小説的に再構築した人間ドラマ」とのこと。

本作は、アフリカ篇、御巣鷹山篇、会長室篇の3部作になっており、
それぞれ題材、雰囲気がガラッと変わりますが、あらすじはwikipediaで確認ください。

個人的には、主人公・恩地の強い正義心や強靭な精神力に、心を打たれました。
どんなに屈辱な目にあっても、頑として正義を全うする姿勢が、強烈に印象に残ります。
読了後は、性根を入れ替えさせられたような気持ちになりました。

日本航空(JAL)批判としての側面


本作品は、一読すればわかりますが、猛烈なJAL批判となっています。
著者が「事実を取材して小説的に再構築した」と言っているとおり、
物語で記述される出来事のほとんどがノンフィクションです。

脚色した部分も多分にあるはずですが、事実と創作とを見分けることは難しく、
それだけに、読者はモデルのJALの腐敗を目にしているように思うに違いありません。

当然のごとく、JALは本作品に不快感を示しているようで、
山崎作品の中で最も映像化が遅れたのは、そうした背景があってのことです。
逆に言えば、映画化をした角川映画、さらにさかのぼれば、
連載をした週刊新潮は、かなり勇気のある決断をしたと言えるのでしょう。

ただ、作品の描写の仕方に関して言えば、賛否がわかれるところ。
多くの人命を預かる航空会社の企業倫理の欠如を暴いた名作と評価する声がある一方、
JAL批判に偏向している、主人公を美化しすぎている、といった意見も多く見かけます。

参考①
労使の深い溝 「沈まぬ太陽」はどこまで本当か(朝日新聞GLOBE)
小説と同様、実際のJALにおける労働組合の混迷がよくわかります。
労使関係にまつわる社内の派閥争いは、JALの“お家芸”とも言われているとか。

参考②
「沈まぬ太陽」は100%フィクション(池田信夫ブログ)
実際の小倉氏の人間像は小説と異なり、JALにおける労組の罪は重いと主張。
公開された映画は、JALと無関係のフィクションとして鑑賞するようにと勧めています。
まぁ、100%フィクションとして観るのは難しいでしょうが。

巨象となった組織への批判と捉えるべき


個人的には、あとがきに書かれた著者の言葉が印象的です。
「巨大な組織であり、政治と結びついている航空会社の力は、
予想を遥かに越え、個人の力など巨象の前の蟻に等しい。一時は挫折しそうになった。」

個人があっての組織だろうと思うのですが、
巨象のような組織にとっては、組織があっての個人という論理が常識となっています。
これはJALに限ったことではないことは、企業の不正が絶えないことからも明白です。

本作品は、そうした不条理に無自覚である“巨象”への批判と受け止めるべきだと思います。
現代においても、とても意義のある作品であり、サラリーマンなら一読しておきたい作品です。


おまけ
日航ジャンボ機墜落関連では、映画『クライマーズ・ハイ』もオススメです。

クライマーズ・ハイ [DVD]クライマーズ・ハイ [DVD]
(2011/10/26)
堤 真一、堺 雅人 他

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横山秀夫原作。事故現場となった群馬の地元新聞記者たちの熱いドラマです。
堤真一、堺雅人がカッコいい。売れる前の尾野真千子や、滝藤賢一も重要キャストに抜擢されています。
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