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ベイジン/真山仁  


ベイジン〈上〉 (幻冬舎文庫)ベイジン〈上〉 (幻冬舎文庫)
(2010/04)
真山 仁

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経済成長にも陰りが見え始め、いまや世界経済の大きなリスクと思われ始めている中国。
そんな中国という国家の危うさを、正面から描いた社会派小説が、この『ベイジン』です。
仕事に熱い人々の繰り広げるドラマティックな展開に興奮すること間違いなし。一気に読めます。
ちなみに、「ベイジン」とは、北京(英語でBeijing)のことです。

あらすじ


北京オリンピックにあわせて、世界最大規模の原子力発電所を始動する―。
そんな至上命題を掲げた中国政府のもとで、各々の職務に奔走する人々を描いています。

中国は、核保有国でありながら、独力で原発を建設する技術を持っていない。
そのため、表向きは国産の原発とうたっていながらも、日本などの技術供与を必要とします。
作品では、中国の国有企業集団による原発建設プロジェクトの技術顧問として着任した日本人(田嶋)の視点から、杜撰な中国の管理体制が次々と明らかになっていきます。

もう一人の主役であり、この国家プロジェクトの責任者という大役を任された中国人(鄧)は、政治家の不正を暴く中央規律検査委員会の副書記(≒スパイ)としてのウラの顔を持っています。
富の偏在が顕著な中国社会において、贅沢の限りを尽くす政治家の腐敗ぶりが描かれます。

二つの視点から共通して見えてくるのは、中国の「面子」への意識です。
小説内でも、鄧の上司が「中国の面子」の説明として、次のように述べています。
「どれほど中が腐っていようと、外観は華麗さを保つこと」
威光ばかりを求めて先走る、中国の腐敗した内面の実態を象徴した言葉だと思います。

中国というのは、強大な自尊心をもとに明らかに身の丈にあわない外観を誇示しながら、その辻褄合わせのために国全体で粉飾をしているような国家です。
決して謝らないし、自己批判もしない。それが中国の国民性だそうです。
そんな中国が推進する原発プロジェクトの運命の行末を、小説ではドラマティックに描き出しています。

感想


真山氏は、自分の不得手な分野をテーマに選ぶようにしている、と言っていたことがあります。
自分の得意分野であれば、どうしても偏った視点になってしまい、全体像が見えづらくなってしまうとのことでしたが、そのために、なるべく苦手なテーマを選んで一から取材、調査をしているそうです。

今回のテーマは「中国」と「原発」ですが、著者はほとんど事前知識のなかったにも関わらず、たった半年の準備期間で連載をスタートさせたそうです。
それであのリアリティ。元新聞記者だから成せる業なのでしょうが、恐るべき調査能力です。

ただ、正直、小説としての完成度はあまり高くないように感じてしまいました。
メインの登場人物として登場する中国人の女性映画監督(揚)がいるのですが、その位置づけがなんとも微妙。
彼女のストーリーの軸は、「六・四事件(天安門事件)のドキュメンタリー映画を撮ろうと奔走するも、誰の協力も得られず苦悩する」というものです。

しかし、六・四事件で兄を亡くした鄧との邂逅で何かが発展するのかと思いきや、特に何も化学反応らしきものは見られませんでした。いったい彼女の存在意義は何だったのか・・・。
著者が当初描いていたプランでは、彼女も大きな役目を与えられていたけれども、連載を書き進めるうちに田嶋と鄧の関係が面白くなっていき、次第に彼女は脇役へ押しやられていったというところでしょうか。

とは言え、相変わらず小説の面白さは抜群です。
やはり仕事にプライドを持った人々の熱い言動を読むと、ぐっと気が引き締まる思いがします。
本作では、スリリングな展開も見所です。クライマックスの怒涛の展開は、興奮しっぱなしでした。

『ベイジン』は、一番好きな作家、真山氏の作品の中で唯一、読み残していた作品でした。
これでしばらくは、著者の小説を初見で読む興奮を味わえないのかと思うと、ちょっとさびしいです。
『グリード』が発売したばかりですが、早く次の作品が出るのを楽しみにしています。
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