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下流の宴/林真理子  


下流の宴 (文春文庫)下流の宴 (文春文庫)
(2013/01/04)
林 真理子

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職場の飲み会で「出世したい」と言ったら、「今の若者にはその意気がない」と言って褒められました。
努力を疎んで、上昇志向を持たない若者が増えているというのはよく聞きます。
意欲を見せるだけで一目置かれるというのは、なんと良い時代だろうと思いました。笑

本作は、ある意味でそんな時代を映した作品です。
ざっとあらすじを書くと、以下のとおりです。

自分の家庭は上流とは言わないものの「中流」である。
本作の主役である主婦は、そうした思いが強く、「中流」家庭であることに誇りを持っています。
しかし、息子は母親の期待を裏切って高校を中退し、家出状態。
その息子が、「結婚するつもりなんだ」と言って同棲相手の女性を家に連れてきます。
息子は二十歳でバイト暮らし。相手の女性も二十二歳で同じくバイト生活。
お金がなくても二人で暮らしていれば、それだけで幸せなのだと息子は満足げに語ります。
そんな二人に対し、プライドの高い母親は怒りを抑え切れない。特に、相手の女性の「育ちの悪さ」が気に入らず、自分の家庭が「下流」(≒「ヤンキーの家」)に落ちてしまうことを恐れ、何としてでも結婚を阻止しようとします。
そんな価値観に縛られた主婦と、見返してやりたい息子の彼女とのバトルが話の大筋となっています。

新聞の連載記事であり、連載中から読者の反応が大きく、「どうしてウチの家庭の事情を知っているのか」といった問い合わせが相次いだそうです。本はたちまちベストセラーとなり、ドラマ化もしたそうですね。

本作品は、“世代間の価値観の対立”というのが一つのテーマとなっています。
子の世代の価値観に戸惑い、決して認めたがらない母親の苦悩と滑稽さがひしひしと伝わってきます。
空回ってばかりの奮闘姿が、これでもかと言うほど痛々しく描かれています。

一方で、息子は現代の典型的な「草食系男子」です。とにかく欲がない。
「何の意欲も持たない、将来のことも考えていない、お金もいらない」息子は、呆れるほど「覇気がない」。
親世代の価値観では、「二十歳の男の子だったら、覇気を持ってないはずない」のですが、それが息子の世代にはまるで通じません。
自分との結婚のために努力する彼女に対して「努力する人って重苦しい」とまで言ってのけます。

登場人物は、欠点のある人ばかりですが、息子の彼女の健気さが最も読者の心を掴むと思います。
結婚したい彼氏の母親に「育ちの悪さ」ばかりを責められ続け、ついに怒った彼女は「医者になる」と宣言。
そこからは有言実行を掲げ、人が変わったように猛然と勉強を始めます。
必至で頑張る過程で言った一言が、とても印象深いです。
「一生懸命何かやるとき、やっぱりプライドっていうもんは自然と生まれてくるさー」(沖縄弁です)

その「プライド」が決定的に息子との距離を広げることになるのですが、僕自身は、こうした「プライド」が生きていく上で必要不可欠なものだと思っています。
努力によって「プライド」を得た経験のない息子は、きっと将来、後悔する時が来るのではないか。
限りある人生を考えると、僕はどうしてもそう思ってしまう立場の人間です。
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