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2013年08月の記事一覧

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経済は感情で動く―はじめての行動経済学/マッテオ・モッテルリーニ  


経済は感情で動く―― はじめての行動経済学経済は感情で動く―― はじめての行動経済学
(2008/04/17)
マッテオ モッテルリーニ

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人々は日常において、いかに不合理な判断を行っているか―
21世紀の新しい学問である「行動経済学」の一つのテーマです。
本書では、数多くの実験を紹介し、いかに人間の思考回路が不合理であるかを示しています。

その一つの例を少し簡略化した形で紹介します。


とある近所の文房具屋のおやじが、新たなサービスをはじめることにした。その店で使った金額が5000円になるたびに、ささやかな商品をプレゼントするか、あるいは500円を返すという。
さて、買い物金額が5000円を超えたから、サービスを受けることにしよう。ところで、条件が3つある。どの場合でも、なかのひとつを選ばなければならない。

A 500円をもらうか、メタルのスマートなボールペンをもらう。
B 文房具屋のおやじは気をよくして選択肢を1つ増やす。そこであなたは、500円か、メタルのスマートなボールペンか、同じくメタルのスマートなボールペンだが外見がいくらか違うものか、どれか選ぶ。
C メタルのペンは数が限られているから、選択の幅を広げて、文房具屋のおやじはあなたに次のような提案をする。500円を選ぶか、メタルのスマートなボールペンにするか、あるいはプラスティック製のありふれたボールペンにするか。



それぞれ何を選択しましたか。

Aの場合、選択肢はお金とボールペンの2つ。このどちらを選ぶかは、実はこの実験では関係ありません。
Bの場合、3つ目の選択肢が加わりますが、2つのボールペンはよく似ています。この場合は、お金が選ばれる比率が高くなります。残りの2つの選択肢は優劣つけがたいからです。
しかし、Cの場合、3つ目の選択肢は、ほかの2つの選択肢に比べて明らかに劣っています。この場合には、メタルのボールペンが選ばれやすくなります。プラスティック製のボールペンの出現でメタルのボールペンの価値が上がったように見えるからです。

これは、加えられた選択肢によって、矛盾した結論が生み出されてしまう例です。
合理的な基準をもとに選択するならば、メタルのボールペンの価値はAもBもCも変わらないはずです。
しかし、人の脳は他の選択肢によって惑わされ、合理性を無視した判断を行ってしまいます。



行動経済学とは、簡単に言えば、経済学に心理学の知見を取り入れた学問です。
「経済人」(=人間という存在は、常に合理的な基準にもとづいて行動するという見方)という幻想を理論の前提としている従来の経済学に対するアンチテーゼのような学問です。

紹介した実験例のような知見は、実際の経済活動にも活用されています。
例えば、3つの価格の商品を提示されると、人は真ん中の価格を選びやすくなります。
その性質を利用して、2つの異なる価格の商品があった場合に、値段の高い方の商品に消費者の意識を誘導する事ができます。もう一段階高い価格の商品を横に並べれば良いのです。

そうした手法をいち早く日本の販促活動に取り入れた経営者としては、鈴木敏文氏が有名です。
コンビニ業界トップを走るセブンイレブンの創設者であり、現在も80歳でありながら、会長としての立場からトップダウンの経営を貫き続けているようです。
鈴木氏の「単品管理」や「統計心理学」と言った経営哲学の原点には、行動経済学があります。

画一的な大量生産が中心の20世紀は過ぎ去り、人々には「自由」という名の無数の選択肢が与えられています。
しかし、人々は合理的な選択をしているようで、その判断の根拠はあまりにも不合理。
まだ歴史の浅い「行動経済学」ですが、毎日多くの選択を迫られる一般消費者にも、その消費者の選択を誘導したい企業にも、その知見は非常に役立つものと思われます。
21世紀の社会を象徴する学問として、今後一層存在感を増していくものと確信しています。



最後に、行動経済学をテーマにした、非常にクレバーなTEDのプレゼンを紹介します。
ダン・アリエリー「我々は本当に自分で決めているのか?」

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category: 経済について学ぶ本

thread: オススメの本の紹介

janre: 本・雑誌

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パーソナル・マーケティング/本田直之  


パーソナル・マーケティングパーソナル・マーケティング
(2009/11/19)
本田 直之

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学歴やキャリアも関係ない。そんな風潮が広まりつつあります。
アメリカ型の自由主義がグローバル化とともにやってきて、日本の社会にも着実に根付きつつあるのです。

それではこの現代において、会社という“寄る辺”から放り出されたら一体どうするのか。
本屋の書棚には、そうした世相がよく表れています。
ビジネスパーソンのためのスキルアップに関する本がずらっと並んでいる事がわかります。

大前研一氏も『下剋上の時代を生き抜く即戦力の磨き方』で、
パーソナル・ブランディングについて、「『値札』と『名札』を手に入れよ」という話をしています。

「『値札』というのは、労働市場におけるその人の値段のことだ」
「一方、『名札』というのは、お前はいったい何ができるんだということだ」
「誰が見てもわかる『値札』と『名札』を持っている人は、この先会社や国がどうなろうが、絶対に生きていける。ジャングルで生きていくための強力な武器になるのである」
「実際アメリカのビジネスパーソンは、この『値札』と『名札』のことしか考えていない。彼らは会社も、自分に『値札』と『名札』をつけるのに利用できるかどうかで選ぶのだ。いまだに一流企業に勤めていることがステイタスだと思っている日本のビジネスパーソンとは大違いだ」

本書は、そんなジャングルと化したグローバル時代を生き抜くためのサバイバル術の本です。
つまり、“自分”を“労働市場”に売り込むマーケティングについての手法が述べられています。

ただ一点、注意点があります。
著者は「パーソナル・ブランディングの上級編」と記述しているとおり、本書では自分の価値をどう魅力的にアピールするかという点についての指南書であり、所謂“自分磨き”の手法については触れられていません。
つまり、売り込むべき“強み”を持っていない人は対象外です。
言うなれば、本書は「値札」を高めるための本であって、「名札」については他の自己啓発書でスキルアップをはかってくれと言う事です。

内容としては、自分を客観的に見直して、
「自分の持っている強みは何か?」
「自分のマーケットはどこにあるのか?」
「自分をどうやってプロモーションすればいいのか?」
など、企業のマーケティングとほぼ同様のフレームを用いて、自分をPRする方法を紹介しています。
自分の「強み」を洗い出すためのワークなどもあり、自分を客観視する良いトレーニングともなるでしょう。

誰かが「自らを『自分株式会社』の経営者と考える」と言っていたのを思い出しました。
著者の示すパーソナル・マーケティングも、意味する所に大きな差異はないでしょう。

本書の目標とするところは、「個人ブランド」をつくることです。
経験と実績をつくって、相手の信用に応え続けることで、ブランドの認知度と信用が確立するようになる。
なんとも壮大な感じがしますが、本書はその道筋を示してくれています。

ヘッドハンターから声がかかる人物になる。メディアに取り上げられる。
そのくらいの意気で自分の「値札」と「名札」の研磨に励みたいものです。

category: 身に付けたい仕事術

thread: ビジネス・起業・経営に役立つ本

janre: 本・雑誌

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ドル円やはりレンジを意識  

8月最終日ですね。

水曜に買ったドル円は順調に上昇してくれています。
が、上方には再びレジスタンスラインが構えています。
まず意識するのは雲の下限でもある98.72辺り。
98.7円辺りまで上昇して再び下落する、
というレンジ相場の継続がイメージされます。

シリアへの軍事介入が週末に決定されそうだという中、
本日中に利益確定をしたいと思っています。
ブレイクしたら、また来週中に買いで入ります。

一方でユロドルの下落が進んでいますが、
昨晩から軽めのショートを投入してみました。
7,8月と上昇を続けたユロドルですが、6月19日の
高値(1.3417)辺りまで上昇した後、折り返しを迎えています。
目指すは1.28辺りまでの長い下り坂を期待しています。

category: トレード日記

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janre: 株式・投資・マネー

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オレたち花のバブル組/池井戸潤  


オレたち花のバブル組 (文春文庫)オレたち花のバブル組 (文春文庫)
(2010/12/03)
池井戸 潤

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テレビのない暮らしをしていると、それはそれで充分に快適なのですが、
どうしても世間の流行に取り残されていくという不安は拭えません。
それでなくても職場は、社外の流行とは無縁の時間が流れています…。

僕にとって、世間の流行を掴む頼りとしているのは3つだけ。
「YAHOO!ニュース」と「本屋の棚」と「新聞」です。笑

そして、そのいずれも「半沢直樹」の大ヒットを告げています。
ここ最近は、YAHOO!ニュースで「半沢」あるいは「倍返し」という文字を見ない日はないほどです。

そのYAHOO!ニュースで読んだのですが、大ヒット中のドラマについて、
著者は「原作は現代版時代劇であり、その心をよく汲み取ってくれた」と言っているそうです。
たしかに、勧善懲悪という言葉がふさわしい物語です。
その意味する所を、原作しか読んでいない僕が少し紹介してみたいと思います。



本作は「半沢」シリーズ第二弾。

前作は半沢個人の復讐劇が中心でした。
が、本作の半沢については客観的な描写がほとんどです。
そのため、半沢の心の中で激しく煮えたぎる憎しみや怒りを拝める場面がなく、少し残念です。

その代わりと言っては何ですが、半沢の信念が2回ほど、次の言葉で表現されます。
「オレは、基本は性善説だ。だが、やられたら、倍返し」
もう、善玉ヒーローという役回りを完全に自認しているようなセリフです。笑

では本作では、「善」の半沢が懲らしめる「悪」は一体どこにいるのか。
それはもう、銀行の内外にうじゃうじゃと潜んでいます。まさに四面楚歌。
そして、いやらしいのが、それらが裏で手を取り合っているということ。

B’zの「Liar! Liar!」の歌詞が頭に浮かびます。
「先生はママと 政府は火星人と 警察は悪い人と
 僕の知らないとこで とっくに ああナシがついてる それってダンゴウ社会」

勿論、一人残らず半沢がとっちめる事になるのですが、その痛快な逆襲劇を見ていると
「ざまぁみろ」と感じるのは、やはりプロの小説家の成せる業なのだろうと思いました。

半沢を突き動かしているのは、「正義は我にあり」という頑固な信念です。
半沢のような身勝手な振る舞いを社会人がすることは、現実社会ではあり得ません。
フィクションだからこそ、その「懲悪」が実現され得るのであり、読者にカタルシスを与えるのでしょう。



ちなみに「半沢」シリーズのタイトルを並べてみると、『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』と、やたら“バブル時代に入行した世代”を全面に出しています。
まだ第三弾は読んでいないのですが、おそらく「バブル入行組」という側面が最も色濃く作品に反映されているのが、この第二弾ではないかと思います。

本作で描かれるのは、まさに「バブル入行組」の苦悩。
タイトルにつけられた「花の」というのは、紛れもなく皮肉です。
その意識が、中盤で語られる半沢の同期の渡真利という友人の口から語られます。

「オレたちバブル入行組は、ずっと経済のトンネルの中を走行してきた地下鉄組なんだ。だけどそれはオレたちのせいじゃない。バブル時代、見境のないイケイケドンドンの経営戦略で銀行を迷走させた奴ら――いわゆる“団塊の世代”の奴らにそもそもの原因がある」
「オレたちバブル入行組は団塊の世代の尻拭き世代じゃない」

それは「半沢」シリーズに通底しているテーマの一つでもあります。
無責任な「団塊の世代」の悪弊が根付いた組織の中で、鬱憤の溜まった「バブル入行組」の不平不満。
その捌け口が、悪いもの退治――。そんな見方をする事も可能です。

バブル時代、そして失われた10年、20年。その時代の格差を感じる事ができます。
日本経済の低迷期を生き抜く中で、鬱憤が胸の内に澱のように溜まってしまった社会人の皆様。
そんな方々が、スカッとしたい時に読むのに最適な一冊です。

category: 小説・エッセイ等

thread: 最近読んだ本

janre: 本・雑誌

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ドル円の買い  

シリア内戦を受けた緊迫な情勢の中、円買いが進んでいます。
ドル円、ユーロ円ともに、綺麗にレジスタンスラインに跳ね返される形で下落。
「有事のドル買い」ではなく、「有事のドル売り」みたいですね。
欧米諸国が軍事介入に踏み切った場合、さらなる円高ドル安が懸念されています。
そして、どうやらオバマ大統領は空爆に前向きな様子です。

が、最近の円売り圧力を考えると、ドル円下落時は買いで入りたい所ですよね。
ここは、リスクを承知でドル円の押し目買いを狙ってみたいと思います。
しばらく下落が続いたとしても、いずれ持ち直します。
シリアの軍事介入があったとしても数日程度と聞いています。
中期的なポジション保有も視野に入れながら、ロングを投入してみます。

category: トレード日記

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マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった/ジョン・ウッド  


マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になったマイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった
(2007/09/21)
ジョン ウッド

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世界で読み書きできない人は約8億人いるそうです。
世界の人口が約72億人なので、「世界がもし100人の村だったら」で考えると、村人のうち11人が読み書き能力を身につける機会が与えられていない、ということになります。
そして、識字能力を持たない人の殆どは途上国の人々で、その3分の2は女性だそうです。

著者は「ルーム・トゥ・リード」というNPOの創設者です。
「子どもの教育が世界を変える」を信念に、アジア・アフリカの途上国の教育の支援を行っています。
いまも活動をしていますので、その様子は団体のHPから知る事ができます。
詳細な活動報告が当団体の特徴でもあり、HPをみると、現在781万人の子供たちに教育機会を与えてきたという事などがわかります。

途上国の貧困を解決するのに教育が必要不可欠である事は、論をまたないと思います。
具体的な途上国の現状や、教育支援の必要性はぜひ本書やHPで確認してください。



社会起業家の本が数多く書店に並んでいる、と何度かブログでも書きましたが、
本書はその中でも目立った存在のように思います。結構なロングセラーともなっているようです。

本書の一番の特徴は、“生々しい”ことだと感じました。
どうして華々しいマイクロソフトの職を捨てて、
アジアの奥地に図書館を建てるという土臭い社会貢献の道を選んだのか。
そこに至る出来事や心の移り変わっていく過程が、とても生々しく告白されています。

マイクロソフトで失望した出来事、最愛の恋人との価値観の相違、途上国で直面した現状、NPO設立後の資金集めの苦労……などなどを赤裸々に語っており、その苦悩と喜びがひしひしと伝わってきます。

きっかけは、やはりプライベートな出来事です。
休暇中のヒマラヤ・トレッキングで出会った一人との男性とのささやかな出会い。
その男性の現地の教育事情に関する説明が、著者の心を途上国支援のビッグプロジェクトへと突き動かします。

なにかの講演で、リーダーに必要なのは「人をひきつける情熱と人を納得させる理論の両方」だと聞いた事がありますが、著者がそのどちらも備えていることがよくわかります。
著者は何より、NPOとしての「理想」と「運営」を重視しています。
そして、そのいずれも、残念ながら日本の多くのNPOに欠けている部分であろうと感じます。
社会貢献活動を行っている人々、これから行おうと考えている人にとっては、その活動を成功に導くための要諦が詰まっていますので、とても参考になるかと思います。



本書では、マイクロソフトでの仕事ぶりも生々しく描かれています。
入社時の面接の様子や、マイクロソフト時代のビッグビジネスの場面、そこで培った粘り強さや機転の良さなどが記述されており、仕事術を学ぶ上でもとても参考になります。
著者が中国で勤務していた頃にビル・ゲイツが来日したエピソードや、スティーブ・バルマー(つい先日、退任を発表したマイクロソフトのナンバー2)がいかに結果にシビアな人物であるか、そしていかに部下に対して思いやりを持った人物であるかなどが描かれており、そうした点でも興味深いです。

マイクロソフト時代の教訓として挙げられた中で、最も印象深かったのは、以下の文言です。
「大きく行け、それができなければ家に帰れ」
まさにマイクロソフトの精神そのものだと感じました。ビル・ゲイツを見れば明らかです。

上記の文言に続いて本書で述べられている文章が良いので、一部抜粋して紹介します。
「これこそ、何か変化を起こしたいすべての人に送るアドバイスの核心だ。今日の世界が直面している問題は
とてつもなく大きい。少しずつと言っている暇はない。時間と精力をつぎ込む価値のある目標があるなら、大きく考えるべきだ。大きく考えれば、目標はおのずと実現する。大胆な目標は大胆な人びとを引きつけるからだ。」

人を引きつけたいのなら、大きなビジョンを持つべきだ。
この教訓を活かすことのできる人が増えるほど、世界はより豊かになるのだろうと思います。

category: 新しい社会貢献を知る本

thread: オススメの本の紹介

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TEDトーク 世界最高のプレゼン術/ジェレミー・ドノバン  


TEDトーク 世界最高のプレゼン術TEDトーク 世界最高のプレゼン術
(2013/07/18)
ジェレミー・ドノバン

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TEDの講演会をご存じでしょうか。
一言で言えば、“世界最高のプレゼン大会”です。
(TEDは講演会を主催する非営利組織。)

毎年1回、カリフォルニア州ロングビーチにて、世界的な講演会が開かれています。
講演者は、テクノロジー、エンターテイメント、デザインの3分野(頭文字を取ってTED)に関する「広げるに値するアイデア」(Ideas worth spreading)をプレゼンします。
講演するのは、ビル・ゲイツ、ヒラリー・クリントンら著名人をはじめとする、驚くべきアイデアやストーリーを持った、頭抜けて有能な人々ばかり。
各人に与えられた時間は18分。その短い時間に世界を変えるようなアイデアを詰め込みます。

観た事ある方はわかると思いますが、講演者のプレゼン技術は世界最高級です。
プレゼンの見本を観たいと思ったら、ぜひ一度は観てみるべきです。
講演会の動画は無料公開されており、ボランティアによる日本語の字幕が付いた動画も観ることができます。
易しい言葉で語っているので、英語の勉強にもなります。

TEDのアプリをダウンロードすると沢山の無料動画が視聴できます。
You Tubeでもいくつか観ることができますで、騙されたと思って一度観てみてください。

ちなみに、僕が気に入っているのは、このプレゼンです。
ダニエル・ピンク「やる気に関する驚きの科学」


色々なサイトでオススメ動画が紹介されているので、まずは人気プレゼンから視聴するのが良いかと思います。



前置きが長くなりましたが、本書の紹介に入ります。
本書は徹底的にTEDの人気動画を研究して、その共通項=プレゼンの極意を書き出しています。
ちなみに、著者自身も講演家だとのことで、TEDでスピーチを披露した事もあるそうです。

本書では、プレゼンにおけるストーリー構成から、表現方法、ジェスチャーのテクニックにまで触れています。
が、基本的には「百聞は一見にしかず」であり、百の説明より、まずはインパクトのあるTEDの動画を観ることをオススメします。
例えば、上記で紹介したダニエル・ピンクの動画をもとに、本書の一部を紹介してみたいと思います。

○核となるひとつのアイデアで勝負
 本書では、格となるアイデアをもとに、事実とストーリーを積み重ねていくべきだと書かれています。
 上記動画のプレゼンで主張される事は一つ。「内的動機づけの重要性」です。
 それを、対立図式を用いてわかりやすく聴衆の頭にイメージさせながら、様々な裏付けと共に説明しています。
 「20世紀に機能した外的動機づけ=アメとムチ」
  Vs
 「21世紀に求められる内的動機づけ=自主性、成長、目標」

○アイデアは短いキャッチフレーズで伝えよう
 本書では、3語~12語でまとめられる印象的なキャッチフレーズを用意すべきと説いています。
 このプレゼンでは、以下の11語のフレーズが繰り返し口にされています。
「There’s mismatch between what science knows and what business does.」
 核となるアイデアを、インパクトある短い言葉にして繰り返し語ることで、聴衆の心に刻まれます。
(ただ、この方法は英語特有という側面もあり、日本語では少し工夫が必要であることが、訳者あとがきに記述さ れています。)
 
○スピーチの構造は3つのタイプから
 本書では、効果的なスピーチのタイプとして、以下の3つを挙げています。
 ①<現状―問題提起―解決策>型 ②時系列型 ③アイデア・コンセプト型
 本書内では①の例として、ダニエル・ピンクの上記動画のプレゼンを挙げています。
 流れとしては、まず現状を述べ、次にその現状の欠陥を示し、最後に問題の解決策を提示します。

○身体を使ったコミュニケーション
 本書では、効果的なジェスチャーを行っている例としても上記動画を紹介しています。
 これは説明するまでもなく、身振り手振りと、場所の移動まで効果的に用いられている事がわかります。

○スピーチの締め方
 動画では、非常にわかりやすく結論部分がまとめられています。
 本書では、聴衆が「なんのために」スピーチを聴いていたのかを印象づけ、聴衆が今日からでも正しい方向に動 き出せるように示すことが望ましいと説明しています。
 その方法としては、聴衆にスピーチが結末に向かっていることを示す必要があるとも述べられています。
 また、聴衆の注意をひくため、「間」を置く事も効果的であるとアドバイスしています。

 それにしても、上記プレゼンの締め方は最高にカッコいいですよね。
 最後に「間」を置いて、声量を絞り、最大限、聴衆の関心を引き付けておいて、、
 「and maybe, maybe, maybe…we can change the world」

 こんな刺激的で効果的なプレゼンが出来るようになりたいものです。
 教養とプレゼンと英語が学べる優れた教材として、しばらくはTEDに夢中になってしまいそうです。

category: 書く技術、伝える技術

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今週はブレイクorレンジの分岐点  

先週水曜日に仕掛けたドル円ロングは、がっつり利益を頂きました。+150pips。
金曜にレンジ相場を上抜けるかと思ったのですが、今はレジスタントライン上に戻しています。
どうもドル円相場はブルの勢いが強そうですが、一度再びレンジ内に戻すという可能性もあります。

今週は今のところ、これといったトレンドが見つけにくいと感じるのですが、どうでしょうか。
ユーロの買いも強いですが、ユロ円は7月下旬の高値辺りで少し押し戻され、ユロドルは6月中旬の高値を少し過ぎた所で僅かに上ヒゲを残しています。
豪ドルも下げていますが、これも8月上旬の下値で足踏みしているような状況です。
ただ、逆にいえばブレイクorレンジへの戻りという二択が控えている相場が多いので、一度動き出せば予想しやすいのかもしれません。
ということで、上記の相場に目を光らせながら、少し様子を見ます。

本格的な勝負は9月となりそうですね。
今後のトレンドテーマを左右するイベントが目白押しです。
何と言っても米国では、9/6に雇用統計、9/17,18にFOMC(縮小緩和なるか?)があります。
国内は、9/7にオリンピック開催地決定、9/9のGDP改定値発表。
(どうやら甘利大臣は、消費税増税の最後の材料判断は10月1日の日銀短観と発言したそうですね)
いずれも順当に行けばドル高円安となる要因です。

他には、EUの牽引役であるドイツの総選挙が9/22に控えてたりもします。
9月は何かとボラティリティの高い相場になりそうです。上手くトレンドに乗れたらいいなと願うばかりです。



新興国の通貨安が騒がれています。
米の量的緩和縮小が強まってきた5月以降、急速に下落しているようです。
特に深刻なのが、インドネシア、インド、ブラジルなど、経常赤字を抱えている国々。
しかし一方で、経常収支がプラスの韓国、メキシコなどは持ちこたえているようで、二極化が進んでいます。

15年前のアジア通貨危機と重ね合わせて見ている人も少なくないようです。
先進国の資金引き揚げ、日本の消費税増税などが偶然にも類似しているとか。
何にせよ、新興国は先進国の金融経済に踊らされっぱなしという世界経済のシステムは過酷だなという印象です。

category: トレード日記

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世界の下半身経済が儲かる理由/門倉貴史  


世界の下半身経済が儲かる理由―セックス産業から見える世界経済のカラクリ世界の下半身経済が儲かる理由―セックス産業から見える世界経済のカラクリ
(2007/03)
門倉 貴史

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バックパッカーとして世界中を趣味にする、とある日本人女性。
彼女は、お金がなくなると現地で売春をし、生活費を稼いでいると言います。
日本人女性は価格設定が高く、1回身体を売れば、その国に1ヶ月滞在できるほどの生活費を稼げるそうです。

1970年~80年代に日本人の「買春ツアー」が社会問題となっていたそうですが、
開発途上国では、観光産業発展のための呼び水としてセックス産業の発達が重要視されているそうです。
先進国の人々がセックスを楽しんで、お金を落としていく。
そうしたビジネスへの規制は緩く、政府にとって外貨獲得の重要な手段と認識されているのです。

性を巡る規制のあり方は、永遠の課題だと思います。
本書は、BRICs経済研究所のエコノミストによるセックス産業の話ですが、
日本、そして世界各国のセックス産業を見渡すことで、性ビジネスのあり方を考えさせる本となっています。



禁止するから社会秩序が乱れる。そうした側面は否めません。
人の本能的な欲望を満たす産業は、規制すればアングラ化し、かえって社会に望ましくない結果をもたらす。
著者は米国の悪名高い「禁酒法」を例に挙げながら、そう主張しています。

(説明不要かもしれませんが、あの『グレート・ギャッツビー』などの舞台となった1920年代の米国では、禁酒法によってアルコールの製造・販売が禁止されていました。が、その結果、アルコールの密売を行う犯罪組織の出現を招き、各地でマフィアの抗争が繰り広げられる原因となっています。)

本書では世界のセックス産業の実態が紹介されています。
その各地のあり方は、おそらく読者のセックス産業に関する見方を変える事になると思います。

欧州では、売春が合法化されている国がいくつかあります。
例えば、EUの経済を牽引しているドイツ。
ドイツでは売春が2002年に合法化されています。
目的は、アングラ化して犯罪組織の温床となっている売春を政府の管理下に置くためです。

売春が合法化したことにより、売春婦も社会保障を受けられ、労働組合への参加も認められるようになりました。
そして、「セックス税」と呼ばれる税金の支払い義務も生じました。
一人一人の売春婦から直接一定額を徴収する仕組みで、財政難の自治体の貴重な収入源となっているそうです。
(日本のセックスワーカーは建前上、売春ではないため、いくら大金を稼いでも納税はしません。)

そんな話をすると、日本でも導入すべきだと鼻息荒くする人々もいるでしょうが、やはり負の側面もあります。
一番の問題は、人身売買の横行です。
ドイツでは、売春が合法化されてから周辺諸国の女性が大挙してドイツに押し寄せてきたそうですが、その中には人身売買によって送り込まれた女性も少なくありません。
サッカーW杯の時などは、数千人の外国人女性が人身売買によって送り込まれたとも言われています。

ちなみに、EU経済の足を引っ張る南欧諸国の代表格であるギリシャは、数年前、売春や密売などの「ブラックエコノミー」と呼ばれる金額をGDPに参入したとのことで、それによりGDPが年間400億~600億ユーロも押し上げられています。
必至なのはわかりますが、そんな事をしているから…という思いがしてしまいます。



売春を含め、セックス産業とどのように向き合っていくか。
同時に、モラルの低下をどのように食い止めるか、という問題もあります。
一概に規制すれば良い、という問題ではない事は、本書を読めばよくわかります。

人類の本能的な欲望に関わるテーマのため、永遠になくなることのない問題でしょう。
しかし、議論の俎上にあげようにも、なかなかその実態を知る機会の少ない分野です。
議論するには、セックスワーカー達の人権、市場規模、社会秩序の問題等を考慮しなくてはなりません。

セックス産業の実態をエコノミストの視点から考察した、貴重な一冊です。
驚くような話、ネタになる話も数多く含んでいるので、男性も女性も一読してみることをお勧めします。

category: 経済について学ぶ本

thread: オススメの本

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挑戦する脳/茂木健一郎  


挑戦する脳 (集英社新書)挑戦する脳 (集英社新書)
(2012/07/13)
茂木 健一郎

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脳はなぜ挑戦することを求めるのか?
本書のあとがきでは、「「新しい風景」を見たいから」とやや詩的に表現されています。

脳が挑戦の先に得られるものは、成長に他なりません。
ただ、それは脳の数値的な「機能」を「鍛える」という機械的な意味ではありません。
「脳が成長するとは、もっと劇的な現象である。」と著者は説明しています。
「自分自身の身体感覚が変わるのである。新しい自分になる。世界の見え方が一新される。」
例として著者は、アインシュタインの相対性理論を生み出した出来事と並列して、縄跳びの三重回しを跳ぶ事ができた幼い頃の自身の出来事を挙げています。
そうした大小の「劇的な現象」を求めて、脳は挑戦し続けます。

本書では、脳科学者、茂木健一郎氏の執筆した月刊誌の連載記事を編集した本です。
避けられない運命や困難を前にして、文脈を飛び越えて挑戦することの意義を説いています。

多くの教養的な知識が引用されており、哲学的な要素を多分に含んだ内容となっていますので、モチベーションを手軽に高めてくれる“エナジードリンク”的なものを求めると、痛い目を見るかもしれません。
ただし、非常に興味深い内容ばかりなので、どんな方でも興味があれば一読される事をオススメします。



本書のテーワードの一つは、「偶有性」。
偶有性とは、一言でいえば、何が起こるかわからないという状況のことです。
著者は、「偶有性」を自身の研究の一大テーマに掲げており、日本の風土病として「偶有性忌避症候群」を挙げており、これが日本の不調の唯一の原因であると断言しています。

日本人は、何が起こるかわからないという状況に耐えられない。
「予想できないこと」を極端に恐れ、逃げたがる傾向があります。
だから「お受験」に走り「負け組」を避けたがる。そして、「人生の正解」を求めて人生を彷徨います。

日本の常識は世界の非常識。
本書では教育現場の例が説明されていますが、日本の教育は「標準化」と「管理」が行き過ぎています。
(例…教育の内容をコントロールする教科書検定制度、大学が「偏差値」で順番づけられるという思い込み)
偶有性に適用するための能力が磨かれないことが、日本人の成長力を妨げていると著者は主張しています。

「偶有性忌避症候群」の説明された章は次のように締めくくられています。

経済の不調で失われたGDPよりも恐ろしいのは、日本人が来るべき偶有性の文明へ移行する上で不可欠な学習機会を失うことだろう。偶有性の海に飛び込み、未知の領域に挑戦することでしか、今の苦境を脱することはできない。日本人の「挑戦する脳」が本気になるべきときが来ている。




そもそも「生」それ自体が偶有性のもとに成り立っています。

人は生まれる環境を選ぶ事はできません。
生まれた瞬間から人生は「偶然」のもとに成り立っており、人それぞれ違う。
そして当人にとって、それは動かす事のできない「必然」です。
しかし、その偶有性を受け入れて成長するための「挑戦する脳」が人間に備わっている。

1990年代からずっと日本社会は停滞していると言われています。
僕が小学生を卒業する頃、僕の生きてきた10年は「失われた10年」と名付けられました。
そして、成人になるとそれは「失われた20年」へと変わっていました。
僕の歩んできた時代は常に「失われていた」そうです。まったくいい迷惑です。
当然、僕たちに責任はないですが、それでも受け入れなくてはなりません。

僕たちに求められているのは、まさに社会的な文脈を飛び越えて挑戦することだと感じます。



社会に出るとガチガチの社会のルールや論理、コンプライアンスに思考まで縛られてしまいます。
社会で求められるのは、既定の社会の複雑なシステムの中でいかに優れたプレーヤーになれるかという能力です。
それはそれで面白く、やり甲斐のあるものだと感じられるようにもなりました。

しかし、それが脳の可能性を狭めているという側面があるのを知りました。
たまには、そうした固定観念から脱却した哲学的な思考を持つ人の本を読むのも必要ですね。
普段の仕事から離れて色々と思考を巡らす、気分転換に最適の一冊でした。

category: 上記以外のビジネス書

thread: オススメの本の紹介

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小泉進次郎の闘う言葉/常井健一  


小泉進次郎の闘う言葉 (文春新書 922)小泉進次郎の闘う言葉 (文春新書 922)
(2013/06/20)
常井 健一

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昨日の伝える技術の関連で、本書を購入しました。

永田町一の“伝道師”である小泉進次郎氏の演説は、
一度聞いた事ある方ならわかると思いますが、非常に巧みです。
二世という色眼鏡を抜きにしても、進次郎氏の発する言葉には聴衆の心を掴む力があります。
本書は、ノンフィクションライターである著者が、選挙期間中の演説のために全国行脚する進次郎氏に密着して、その演説の言葉を取りそろえた“進次郎語録”のような内容になっています。



応援演説に進次郎氏が来る。
それだけで会場には中年の女性の群れができるそうです。
そして、颯爽と本人が登場すると、街頭がピンク色に染まる。
「永田町のプリンス」は、オバサン達にとって「会いに行けるアイドル」なのかもしれません。

応援演説なのに、聴衆の関心は候補者ではなく、進次郎氏ばかりに向けられます。
候補者の名前を一生懸命に訴えても、マダム達は携帯で写真を撮るのに夢中で、その声は虚しくも届きません。
もちろん、聴衆の中には聞く耳を傾ける人もいるのでしょうが、その圧倒的な存在感と巧みな話術が候補者を食ってしまい、逆に候補者の身をすくめてしまっている様子もうかがえます。

進次郎氏の演説には、具体的な政策はありません。
池上彰氏も、演説に中身がないことに触れ、「大したこと言っていない」「素人はこうやって上手く言いくるめられる」とバッサリと言い捨てたそうです。
本書でも「進次郎氏の演説には「政権公約」の“せ”の字も出てこない」「国家像が見えてこないのは、彼の大きな課題なのかもしれない」と指摘されています。

しかし当の本人は、与えられた使命を全うしているに過ぎません。
「客寄せパンダ」と呼ばれようと、候補者と自民党に風を呼び寄せるため、そして自らの政治家としての成長のために日々、自らの刀を研磨している様子がうかがえます。
過密スケジュールの中で奮闘するストイックな姿には、浮かれている隙が見当たりません。

32歳という若さを充分に自覚しているらしく、常に振る舞いは謙虚。
多くの若い同志の集まった青年局を束ねる一方で、年配議員の前では人一倍相手を立てる。
将来を見据え、したたかに地固めをしている一面もうかがえます。
米国の戦略シンクタンクで学んだ経験もあり、過去の政権の”敗因”を研究していたとか。

終盤に本書ではこう書かれています。
「進次郎氏に半年間密着する中で印象的だったのは、「改革」を連呼しながら天下国家を語りたがる従来の政治家像とは異質の、国民の言葉にじっくり耳を傾けようとする姿勢である。」

政策の話や未来のビジョンの話になると、慎重に言葉を選ぶ進次郎氏。
有能で努力家であることは疑いませんが、その”志”は良い意味でも悪い意味でも非常に謎めいています。
このような新しいタイプの政治家が今後花開いた時に、どのように政治を動かしていくのか。
既にその人気ぶりは政治を動かすほどではありますが、未来を生きる世代の一人として、進次郎氏の将来の活躍に対して僕は期待を込めたいと思います。



ちなみに、週刊ダイヤモンドの記事で、著者は「演説の極意」として、以下の5つを挙げています。

1.聞き手の反応を拾う
2.不都合な点を明かす
3.つかみのネタは現地調達
4.知ったかぶりはしない
5.難しい問にも瞬時に返答

本書では、オバマ氏の演説など他の有名な演説を引き合いに出して、進次郎氏の言葉を解説する箇所が多くあります。当然、進次郎氏もそうした演説を研究しているのでしょう。
聴衆の心を掴む演説には、やはり共通したコツがあるものです。
上記のようなポイントを意識しながら演説内容をチェックすると、その話術の仕掛けがより理解しやすくなるだろうと思います。

category: 一流の仕事力

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伝え方が9割/佐々木圭一  


伝え方が9割伝え方が9割
(2013/03/11)
佐々木 圭一

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昨日の半沢直樹と同様、こちらも大ヒット中です。
「週刊ダイヤモンド」の特集を読んで、思わず購入しました。

伝える技術については世に数多くの本が溢れています。
が、その多くは論理力やプレゼン、もしくは交渉術に関する本です。
(例えば、話の組み立て方はこうするべき、伝える内容は本質的なものに絞る、相手に好感をもたれるネタを取り入れる、言葉より視覚に訴えるべき、など)

それに対し、本書は相手の心に届く伝え方、という技術を紹介しているところに特徴があります。
どうやったら相手の心に刺さるか、心の琴線に触れられるか、心を誘導できるか。
まさにコピーライターに求められる技術を、日常のコミュニケーションにも援用しようとしたのが本書です。

本書の冒頭では、「伝え方」を改善すること=人生を改善すること、と言うような内容が書かれています。
「伝え方」で全てが決まるとは思いませんが、たしかにその重要性は理解できます。
いくら気持ちが強くても、「伝え方」が悪ければ、伝わりません。
逆に、「伝え方」が良ければ、どんなマーケティングよりも宣伝効果を持つ場合もあります。

本書では、コピーライターとしての長年の経験から著者が導き出した「強いコトバ」の法則が紹介されています。
その内容は、驚くほど単純化されており、知っていて損はないと思います。
(「週刊ダイヤモンド」の記事を読めば、その全容をわかりやすい図とともに把握する事ができます。)

さすが伝えるプロだと感じます。
人の心に掴む「伝え方」を感覚的ではなく、体系的に技術としてまとめている所が素晴らしいです。
ベストセラーになったのは、やはり“言葉の訴求力”を存分に発揮できたからなのでしょう。

あの“知の巨人”佐藤優氏も「ベストセラーになるには、何かしらの理由がある」と言って、ヒットしている本は雑な本であっても一通り目を通しているようです。
ベストセラー本は、なぜヒットしたのか、という視点から読むのも面白いと思います。

category: 書く技術、伝える技術

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オレたちバブル入行組/池井戸潤  


オレたちバブル入行組 (文春文庫)オレたちバブル入行組 (文春文庫)
(2007/12/06)
池井戸 潤

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世のブームにほだされて、つい買ってしまいました、半沢直樹。
「やられたらやり返す」で一躍有名となった、一人の勝気な銀行マンの復讐劇の話です。

主人公の半沢直樹が入行したのは1988年のバブル時代。
そして舞台はその16年後、つまり2004年の銀行です。

作品内では半沢がバブル時代を思い返すシーンが何度かあります。
返済の見込みよりも温情が優先される。
そんな甘い時代もあったなぁ、と思い返す読者もあるのかもしれません。
しかし、バブル時代の銀行不倒神話は過去のものとなり、銀行融資は中小企業の味方ではなくなりました。
まさに「晴天に傘を差し出し、雨天にとりあげる」という、銀行の冷徹とも言える現在の姿が描かれています。
(ちなみに、著者は元銀行員。それもあって細部のリアリティは読み応えがあります。)



半沢は思った事を我慢できずに口に出してしまう、よくある“出世できない”タイプの人間です。
自分に理があれば物事は突き通せると信じており、不合理な仕打ちを受けると黙っている事ができません。

上司のミスの責任を理不尽な形で被らされる状況に追い詰められると、当然のごとく反発します。
時に強い怒りを露わにし、時に相手の裏をかいて反撃し、「やられたらやり返す」という姿勢を崩しません。
その姿は痛快で、読んでいてカタルシスを得られること請け合いです。

物語の筋は、復讐劇という言葉に尽きます。
酷い仕打ちを受けた相手には、罪を認めさせ、土下座をさせなければ気が済まない。
じわじわと包囲網をつくって締め上げて、最後に対面で情け容赦なく骨の髄まで追い詰める。

しかし終盤、ラスボスの一人に対面した時、ある想定外の出来事から半沢の心で「シーソー」が上下し始め、冷徹さが少しばかり揺れ動きます。
そこで、半沢は敵に対して「条件次第では見逃してやってもいい」と交換条件を提示します。
それは予想外の条件ではありましたが、本作品を象徴している条件とも言えます。
一つの見物ですので、ぜひ本書でお確かめください。

社会派小説の多くが、終盤に向かうにつれ複雑な様相を呈するものですが、本作品は終始敵と味方がわかりやすい構造になっているので、筋を追うのに混乱する事はありません。
理不尽な目にあわされる主人公に感情移入しながら読んでいけば、最後に大きなカタルシスが得られるような仕組みになっています。
社会の不条理を感じながらも、鬱憤を晴らせないでいる社会人の方には特にオススメです。

category: 小説・エッセイ等

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今日はFOMC議事要旨の公表  

昨日は、ユーロが強かったですね。
ユロドルはついに6月19日の高値を超え、1.34台半ばまで上昇しました。
これにより、先週から保有していたショートポジションがロスカット。。
このままユロドルは上昇し続けるのでしょうか。

昨日は、豪ドルの下落にあわせて豪ドル円のショートも入れたのですが、急落の後で持ち直し、慰め程度のプラスにしかなりませんでした。

本日は今週一番の目玉であるFOMC議事要旨の公表(7月30,31日分)があります。
最近は米経済指標も強弱まちまちで、緩和政策への思惑もあって米国株安が続いています。
今回の議事録で、やはり緩和縮小は経済指標次第といった内容や、緩和縮小に慎重な様子が市場に伝われば、緩和縮小への警戒感が遠のく可能性があります。

予想イメージとしては、
緩和継続への思惑強まる→ダウ平均が持ち直す→ドル高
といったシナリオが描けます。
ダウ平均が回復すれば日経平均も持ち直し、円安材料にもなりそうです。

ドル円の日足チャートとしては、徐々に上値が下がっているような状態でありますが、下値も6月13日、8月8日を結んでサポートラインを描くと、三角持ち合いの形となります。
(先月から何度も下方にブレイクし、その都度サポートラインを描き直しているような状態ですが)
ここは、そろそろドル円上昇トレンドの復活に掛けてみたいと思います。

category: トレード日記

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プロボノ 新しい社会貢献 新しい働き方/嵯峨生馬  


プロボノ―新しい社会貢献新しい働き方プロボノ―新しい社会貢献新しい働き方
(2011/04/20)
嵯峨 生馬

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社会貢献についての関心は年々高まっているように感じます。
社会起業家の著した本も以前紹介しました。
そして今、(社会起業家よりは認知度が低いと思いますが)「プロボノ」という存在も注目され始めています。

「プロボノ」とは何か。
語源は、ラテン語の「公共善のために(Pro Bono Public)」に由来するようです。
本書では、「社会的・公共的な目的のために、自らの職業を通じて培ったスキルや知識を提供するボランティア活動」と定義されています。
つまり、自らの「スキル」や「ノウハウ」をNPOに提供するという新しいボランティアです。

これは、NPOにとってもボランティアをする側にとってもメリットがあると述べられています。

NPOは営利目的の民間企業とは異なり、「マネジメント」や「専門性」が弱いという側面があります。
そこで、「プロボノ」という形でNPOの運営に参画することで、NPOの成果を高める事ができます。
例えば、マーケティングやデザインの経験を持つボランティアが集まって、NPOのHPやパンフレットを刷新するなどして、寄附が集まったり、会員が増えたりといった成功事例が挙げられます。

また、注目すべきは、「プロボノ」を行う側にとってもメリットがあるという事です。
本書によると、「プロボノ」への参加理由として、視野の広がりや人脈の広がりを求めているビジネスパーソンが多いそうです。確かなスキルを持った人々の集まりであるため、異業種の交流による刺激が得られるという魅力があり、ボランティアのモチベーションは総じて高いそうです。

「プロボノ」は企業とNPOの協働について書かれたこのような記事でも取り上げられています。
この記事によると、NECやマイクロソフト、ゴールドマン・サックスなどの大企業のビジネスパーソンが「プロボノ」に参加して、モチベーションを高めている様子がうかがえます。



著者は、「サービスグラント」というNPO法人の代表を務めています。
当該法人は、NPOを支援するNPOですが、助成金や寄附のような「お金」ではなく、「プロボノ」という「スキル」と「ノウハウ」を提供することによる支援を行っているプロボノ集団です。

本書では、「プロボノ」の魅力の紹介から、実際のプロジェクトの進め方などについて総論的に述べられており、「プロボノ」という新しいボランティアのスタイルを伝える入門書のような内容となっています。
プロボノに関する書籍はあまり見られませんので、プロボノに興味があるという方にはオススメです。



少し本書の意図からは脱線しますが、日本のNPOは「財政基盤の脆弱さ」がよく指摘されます。
ただし、だからと言って、NPOに「お金」を与えればいいと言う風潮はもう古いと感じます。
米国などのNPO先進国では当然視されているようですが、日本のNPOにも収益性を考慮した「ビジネス」の視点が求められるようになってきています。
マッキンゼーなどの優秀な頭脳の持ち主が社会起業家として成功しているのは、社会貢献をしながらビジネスが成立するモデルを描く事ができているためです。

NPOであっても、行政の補助金などに頼るのではなく、事業の運営に必要な資金は自前で調達する。
非営利団体があの手この手で資金を調達する手法を「ファンドレイジング」と呼びますが、そうした戦略的なスキルもNPOの運営に欠かせないスキルとみなされ始めています。
企業にスポンサーになってもらう、収益性を備えた社会貢献事業を展開する、といった事を考えると、どうしてもNPOに「マネジメント」という視点や「専門性」が必要となります。

そうした事を踏まえると、やはり今後のNPO支援の在り方としては、「お金」を与えるのではなく、NPOに「スキル」や「ノウハウ」を与える役割が必要かと思われます。
その意味でも、NPOに「プロボノ」を提供する「サービスグラント」のようなスタイルのNPOは、今後の日本の社会貢献を支える重要な役割を担っていると感じます。

category: 新しい社会貢献を知る本

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この国を出よ/大前研一・柳井正  


この国を出よこの国を出よ
(2010/09/29)
大前 研一、柳井 正 他

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大前氏と柳井氏という、グローバルで戦う二人の著名人による共著。
常に世界に目を向け続けている二人が代わる代わる、異口同音に「日本批判」を行っています。

なぜ日本はダメなのか。
集約すると、次の4点がポイントになるかと思います。

①日本経済の停滞と国債デフォルトのリスク

やはり経済を肌で感じている方々にとって、一番の日本のリスクは日本経済の将来性なのでしょう。
バブルがはじけ「失われた10年」が20年、30年となり、貿易黒字も赤字へ転落。
(今日発表の今年7月の貿易統計では、過去3番目の大きさの赤字額を記録したそうですね。)
日本経済停滞の原因として、日本の“お家芸”の製造業の国際的な存在感が薄れている事が挙げられています。
先進国のダブついたマネーは、日本を通り越して(“ジャパン・パッシング”)、新興国へと向かっています。

また、公的債務が対GDP比で200%を超えるという異常事態にも触れられています。
本屋の経済書のコーナーでは「日本国債暴落」に備えよ、といった本が並んでいますが、数年の内に日本は破綻するというシナリオを描いている人々は少なからず存在します。国債デフォルトで儲けを狙うヘッジファンドもあるというのもよく聞く話です。
本書でも、そうしたシナリオが現実味を帯びている事を強調し、危機感を持つべきだと警鐘を鳴らしています。

②内向き・下向き・後ろ向きの日本の若者

「この国を出よ」というメッセージには、内向きな若者への叱咤の意味も込められています。
日本からアメリカへの留学生が減っている事や、若い起業家が充分に育たない現状を挙げて、ハングリー精神の欠けた現代の若者を憂いています。
また、ビジネスをマネーゲームと捉えている“ヒルズ族”のような例も挙げ、「ビジネスを通じて世の中を良くしたい」「社会を変えたい」といった信念が欠如しがちである事も指摘しています。

「安定」を求める若者が増えた現状は、「イギリス病」になぞらえて「日本病」と本書では称しています。
「イギリス病」とは、「ゆりかごから墓場まで」という言葉で表される手厚い社会保障制度や基幹産業の国有化が、国民の働く意欲の低下を招いたとする説です。
“環境が人をつくる”とはよく言いますが、過保護な国策により日本人のぬるま湯根性が築かれたというのは、さもありなんと感じます。
終身雇用制度や馴れ合いの社会を見れば、戦後の日本のサラリーマンにあったとされるハングリー精神が削がれてしまうのも無理はありません。

③信頼できない日本の政治

本書が執筆されたのは民主党政権時代。首相の発言がブレにブレまくった時期です。
言っている事とやっている事がちぐはぐで、何一つ統一性がない政権を痛烈に批判しています。
また、上述のように異常なまでに膨れ上がった公的債務や、他国に比べて高い法人税や無駄な規制をやり玉に挙げて、日本政府の経営感覚の欠如も指摘しています。

④絶望的状況なのに能天気な日本人

批判の矛先は、現在の日本社会の状況を唯々として受け入れている日本国民にも向けられています。
むしろ、全ての日本国民こそ最も批判したかった対象なのかもしれません。
一度は経済大国の名を掴んだ日本。しかし、栄誉を手にした途端に慢心が膨らんでいきました。
そうした日本人の気質を育てたのは、政治家であり、マスコミであり、そうした政治を選んだ国民自身である。
著書の二人は、そんな論調で国民を批判し、危機意識を持つよう警告しています。


グローバル化に対して日本人は拒否反応が強く、「チャンス」と捉えられている人は少ないです。
本書では、この時代を前向きに捉え、グローバルな視点で日本の危機的状況を眺めるよう諭しています。
そうした思いも「この国を出よ」という一言に凝縮されています。
ネガティブな意味でも、ポジティブな意味でも、日本を飛び出す事の意義を考えさせられる一冊でした。

category: 経済について学ぶ本

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お盆明け8月後半戦のトレード  

お盆が終わり、また今日から仕事も相場も通常の一週間に戻ります。
すっかり休みボケした頭の切り替えに時間がかかりそうです。。

とりあえず先週のトレードの振り返りをしますと、
ハズレは引かなかったが、アタリもしなかったという一週間でした。
相場も全体的に方向性に欠ける展開が続いたようですね。
注文を仕掛けたペアについて、それぞれ検討してみます。

○ドル円
先週は96円前半から始まって一時は96円を少し割り込んだのですが、その後上昇。
木曜日に98円台後半まで高値をつけたのですが、大きく反落し、現在97円半ばです。
95.8円にショートで待ち構えていた注文は通らずじまい。注文は取り消しました。
今週は方向性が見えないので、とりあえず様子見とします。

○ユロドル
先週唯一、注文の通ったペアです。1.33を割った所でショートポジション購入。
一時は含み益が約70pipsとなりましたが、木曜日に急上昇し、現在は-25pips。
ショート投入の意図は、6月19日と8月8日の高値(1.3417と1.3399)と、
7月9日の安値(1.2754)に挟まれたレンジ相場を想定しての逆張りです。
まだレンジ形成の可能性は消えていないので、ポジションを持ち続けてみます。

○ポンドドル
ポンド安を予想した逆指値のショート注文を仕掛けたのですが、
失業率発表後はポンド高が進み、結局注文は通りませんでした。
半月~1か月半程度のスパンで上昇と下落を繰り返す相場が続いているので、
いつかは500pips程度の下落トレンドが訪れるだろうと予想しています。
しばらく引っ掛からないかもしれませんが、1.55にショートを仕掛けてみます。

category: トレード日記

thread: FX(外国為替証拠金取引)

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一生お金に困らない人生戦略 お金の才能/午堂登紀雄  


お金の才能お金の才能
(2009/12/08)
午堂 登紀雄

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著者の本を紹介するのは3冊目です。
(前の2冊は、『「読む・考える・書く」技術』、『33歳で資産3億円をつくった私の方法』)
いずれも著者の持っているネタを凝縮したような構成となっており、“お得感”のある本ばかりです。

本書はタイトル通り、お金持ちになるための方法を著わした本です。
『33歳で資産3億円~』は投資の話がメインでしたが、本書ではお金持ちとなるのに必要な「能力」に重点が置かれています。(勿論、お金を増やす方法として、さまざまな種類の投資に関する戦略も述べられています。)

具体的には以下の5つの能力について、その高め方を説いています。
①お金を貯める才能…家計の固定費や自宅選び、モノを買う時の節約について
②情報を読み解き、お金をコントロールする才能…投資に不可欠な「情報収集力」「洞察力」について
③お金を増やす才能…お金を増やすのに必要な具体的な投資戦略について
④お金を使う才能…価値のあるお金の使い方や自分への投資について
⑤お金を稼ぐ才能…一人で世の中を生き抜くのに必要なスキル、知識について

様々な観点からお金持ちになる習慣やノウハウについて述べられています。
資産を増やすヒントを知りたい方は、ぜひ一読されることをオススメします。
冒頭で述べた通り、中身の詰まった本なので、きっと損はしないはずです。



本書の冒頭では、「現代社会では、お金は万能といっても大げさではない」と書かれています。
内容も「お金の才能」というストレートなタイトルですので、敬遠される方も多いかと思います。

ただ、決してお金に執着する生き方を推奨する本ではありません。
本書で書かれる「お金を稼ぐ方法」は「自分を磨く手段」、「賢く生きる術」と読み替えることもできます。
ビジネスパーソンとしてワンランク上にいくためには何を学ぶべきか、自己責任が問われる時代で賢く生き延びるには何を行うべきか。
資産形成の手法を学ぶと同時に、自己啓発にも役立てることのできる本です。

category: FX・資産運用の手法を学ぶ本

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弱者の兵法 野村流 必勝の人材育成論・組織論/野村克也  


弱者の兵法 野村流 必勝の人材育成論・組織論弱者の兵法 野村流 必勝の人材育成論・組織論
(2009/07/24)
野村 克也

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知将、野村監督が楽天の監督時代に著した本です。

次の2つは、僕のとても好きな野村監督の名言です。
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
「自分は特別な人間だという自信と、自分は普通の人間だという謙虚さ。この二つを同時にもっていたい」

前者は、ずっと野村監督の創作だと思っていたのですが、ちょっと調べたら江戸時代の剣術書の引用だそうです。
後者は、『野心のすすめ』(林真理子著)で紹介されていた名言。野心を成功に化けさせる二つの心の柱ですね。

野村監督は、他にもボヤキと皮肉の混じった数多くの名言を残しています。
野球というスポーツを通して、勝負、人生について深い洞察を身に付けた成功者。
その頭脳を覗いてみたいという思いから、本書を手に取ってみました。



タイトルにある「弱者の兵法」とは、体格的にアメリカ人に劣る日本人が、勝負で勝つのに必要となるプラスαの要素として説明されています。著者はそれを“無形の力”と表現しています。
つまり、「事前に可能な限り情報を集め、正確に分析し、それを最大限に活用して周到な戦略・戦術を練る。そして、豊富な練習量で培った組織力やインサイドワークや緻密さを駆使する」ということ。

これは、著者自身の現役経験から学んだことのようです。
何度か自身の経験が語られるのですが、著者はプロ入りした当初、自らの資質を開花させるには練習しかないと思い、人の倍練習することを自分の方針にしていたそうです。
しかし、努力には限界があります。その技術的限界にぶち当たった著者は、徹底的に相手バッテリーの配球やクセを研究し、分析を極めました。それが自分の生き残る術と思い定めたそうです。
華々しい成績を収め、名実共に「一流」の仲間入りを果たした著者は、一流と二流の差は、素質に加えて「知力」を持てるかどうかにあると断言しています。

また、著者はキャッチャーとしての現役時代も、監督となった時代も「一日三ゲーム」を自らに課していたそうです。その3ゲームとはすなわち、予測野球、実践野球、反省野球。
言葉から想像がつくと思いますが、試合前に攻略法をイメージし、実践で試してみて、試合後にイメージとの差異を最初から最後まで検討し直す、というサイクルです。

言うまでもなく、これらはビジネスの世界に通じること。
本書を読んで驚いたのが、語り口が名経営者と呼ばれる人々のそれと、まるで同じであったことです。
データと根拠を重視し、具体例を欠かさない。そしてその言葉は、いずれも自信に満ちています。
ビジネスとスポーツ。たとえフィールドが違っても、その世界を極めた人の「仕事術」や「言葉の力」には共通点が多いのだと感じる事ができました。



本書の中でもいくつも名言を拾う事ができます。最後にそれらを少しだけ書き残しておきます。

「判断は頭で、決断は腹で」
…なんらかの基準にもとづいて、データや観察、洞察をもとに頭をフル回転させて、もっとも成功する確率の高いものを選択するのが「判断」。そして、その判断を実行に移す際にするのが「決断」。上に立つ人間としての資質は「判断力」「決断力」に富むことが重要な要件になるのだと説いています。

「人間の最大の罪は鈍感である」
…努力は大事だが、方向性と方法を修正することのできる「気づく」力を持った人間が一流たりえるということ。指導者は、選手が間違った努力をしているときに正しい方向性のヒントを与える「気づかせ屋」となる必要があるとも述べています。

「人は無視・賞賛・非難の段階で試される」
…指導者の心構えとして紹介していますが、試される側としても参考になります。
 その人間が箸にも棒にもかからないような状態であれば「無視」。ここで「なんとか認められたい、注目を浴びたい、そのためにはどうすればいいのか」と考えることで成長し、そのうちに可能性が見えてきたら「賞賛」。それまで無視されていただけに、褒められた人間は喜びもひとしおです。そして、その人間の「満足→妥協→限定」という負のスパイラルを防ぐために「非難」する。もちろん、さらなる成長への期待を込めたものです。
 そうした段階を経て、その人間は真の一流になることができると述べられています。

category: 一流の仕事力

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